恵那の石場建て 設計例に追加しました

石場建ての小屋作りワークショップ 最終目【土壁編】

いよいよ最終日4日目です。
作業は、壁と屋根。

壁は、竹小舞を編んで、土を塗る。
屋根は、野地板を敷いて、波トタンを張る。

竹小舞

早速、昨日割って長さをそろえた割竹を編んでいきます。
まずは、皆さんに助けて頂きながら(笑、私のレクチャーです。

年に3回は竹小舞を編んでいるのですが、1枚目を編むのは久しぶりで、少々戸惑いました・・・。

 

 

今回の紐は、藁縄です。
竹は現地調達ですが、藁縄は準備できず、今回は購入品です。

 

 

一坪の小屋を10人以上で編むと、大渋滞!

 

 

土を塗るより、竹を編む方が時間がかかります。
予定より遅れ気味で、午前中では編み切れず、午後に持ち越しです。

 

 

竹も上手に編めて、竹小舞を抜ける風や陽が気持ちよく、良い感じです!

 

 

屋根仕舞

午後からは、竹小舞の残りを作業しながら、屋根の板を貼っていきます。

 

 

まずは、屋根の外周部に枠(広小舞)を打ちます。

 

 

今回の垂木は、60mm × 75mm を303mm 間隔です。
子供たちが、屋根の上で遊べるように丈夫に作っています。

 

 

みんなで釘打ち。
コンコンコンコン・・・・・。

 

 

野地を打つ釘と金槌の音が、谷に響きます。
懐かしい、風景と音です。

 

土練り

屋根と同時進行で、土練りも行います。

  

 

一か月前から土の調整をしてきました。
水が少し足りなくなるように調整することで、当日は水を足しながら練り直して、塗りやすいように水を加えていきますします。

 

 

一か月間に投入した切藁は、しっかり発酵してくれたようです。
やはり、古土(解体した土壁)は菌がたくさんいるのか、冬でも藁の発酵が早いようです。

 

 

土壁塗り

さぁいよいよ、土壁塗りです。
鏝を使って塗っていきます。

 

 

泥を小屋の近くまで運ぶ人、塗り手さんに泥を渡す人、そして塗り手さん。
機械を使わなくても、皆さんの力でスムーズに進んでいきます。

 

 

まずは、内側から塗っていきます。
外側は、少し乾かしてから塗るので、翌日以降に塗る事になる事になります。

 

 

当初は、水が少なく塗りづらかったのですが、水加減を調整しながら塗っていきます。
土塗は初めての方ばかりでしたが、塗り始めると皆さん思い思いのやり方で塗られていました。

 

 

鏝よりも手の方が上手に塗れる方は、手でも大丈夫なのがワークショップの良い所ですね。

 

 

水を含んだ泥は、思った以上に重いのです。
狭い室内なので、皆さん交代しながら無事終了。

 

完成

完成した姿がこちらです。

 

 

 

 

 

計4日間のワークショップ形式で、予定通り終了しました。
参加頂いた方も、小屋が出来るまでを一通り体験出来て、満足いただけたようです。

 

当初の目標は、こんな感じでしたが、、、

1.DIY好きのお父さん・お母さんが、小屋が作れるようになる。
2.材料費は目標10万円/坪、軽トラで調達できる材料で作る。
3.里山の風景に馴染み、できるだけ土に還る素材で作る。

参加いただいた皆様の共通の意見は、「刻みの大工仕事だけは、プロに任せよう」という事でした(笑

 

 

 

普段仕事をしていて、ゴミが少なく長く持つ日本の家作りを、知って頂きたいなと思って今回やらせて頂きました。

100年後のこの里山に、ボロボロになったこの小屋が建ってることでしょう。
未来の子供たちに、この小屋を残してあげられると思うと、とても満足です。

ご参加いただいた皆様、オーナーのやまのはたへさん大工の遠藤さんありがとうございました。

 

しばらくは、ワークショップはおなか一杯(笑