8月23日・24日に構造見学会を行います。
お気軽にご参加ください。
梅雨明けと同時に建前が始まりました。
建前初日から3日間糸島にいましたが、空の青も山の緑も鮮やかで、とても暑かった。
今回も建て主と住幸房さんのご協力で建前見学会を行いました。
建前は伝統工法の家作りの中で最もワクワクする工程の一つです。
私で独り占めしてはもったいないので、興味のある方に見て頂いて、伝統工法のファンを広げたいという思いで、開催しています。
見学に来られた方は、皆さん足場の回りや、少し離れた高台など、思い思いの場所から見学をされていました。大黒柱が立った時や、太鼓梁がかかった時には、拍手や歓声が沸き上がったりして、まさにお祭りのようでした。
今回は特に多くの方が見学に来てくださいました。建築関係の方が多かったので、具体的な質問も多く、私も考えさせられることも多々ありました。
また、同じような価値観の参加者が多く、仲良くなってお話しされ、繋がりが広がったりと、とても良い見学会でした。
今後も、出来る限りこのような場を作りたいと思います。
今回は裏山の木を使って作ったのですが、その裏山も皆さんと歩いて見学に行きました。
このぽっかり空いている空間が木を伐採した場所です。
特に手入れがされていた杉林ではないので、歩留まりも悪く扱いづらいところはありましたが、この山の木に合わせたり建築に合わせたり試行錯誤する事で、裏山の木の家が無事上棟しました。
では、ちょっと長くなりますが、時系列に撮影した写真を紹介していきます。
まずは、大工のミーティングとご安全の乾杯。
「見学に来られた皆さんには、大工が楽しんでいる姿を見てもらいましょう」という池尾さんの言葉で始まりました。
今回は敷地一面草むらで、基礎はこの石たちです。
まずは「い通り」から、組んでいきます。
10時には、1つのブロックの脚回りが組み終わりました。
今回は私も初めての経験ですが、柱梁は全て杉です。
ここからは、レッカーなしの手上げで進んでいきます。
初日の主役はこの16角形の大黒柱。
見学に来られていた大工さん達にも参加して頂いて、起こしていきます!
初日は順調に目標達成。
当たり前ですが、地面には草が生えています。平らではないですが、原っぱでの建前は最高です!
2日目はレッカーも来て、太鼓梁を計8本組んでいきます。
さぁ、ここからは太鼓梁祭りです。
今回は、裏山の木で作るからこそできる贅沢な太鼓組です。
ちょっと豪快過ぎたかもしれませんが、太い材木をわざわざ小さくするぐらいなら、太いまま使う。昔の民家もそうだったのかなと思いました。
今回は、腰屋根付きの民家です。
建て主が棟を納めて、無事上棟。2日目終了。
3日目は屋根です。
垂木がかかった所で、3日目終了。
今回のルーフィングはコロシート。トントンの姿も見たかったのですが、今回はここまで。
今回の仕事を通して、裏山の木で家が作れる事、また裏山の木だからこそ出来る建築がある事を経験させて頂いた。家を作るだけなら費用面では現時点では材木を買った方が安いが、これからは山を守りながら家を作ると考えると、価値ある事です。
ただ今回の反省としては、いかに山を傷めず木を伐って運び出すか。その為には、建築の基礎や庭だけでなく、素材生産の場である山にも自然環境に配慮した土木の視点が必要。それは、昔の人たちが当たり前にやっていた土木の造作であり、その先に生物多様性が豊かな里山の姿があるのですね。
「自然を育む石場建て」、私がやりたい家作りの多分最後の一歩は、里地里山の再生。
家づくりという人間の暮らしが虫や生き物たちと同じように自然を育み、次の世代の役に立つことができる。
今はまだどうすればよいかわからないけれど、このやりがいのある目標に向けて進んでいきたい。
最後に建て主さんと、住幸房の池尾さんと雨の森の轟さん、ありがとうございました。
次回は、8月23日(金)・24日(土)の構造見学会です。
引き続きよろしくお願いします。