岐阜県瑞浪市の旧道沿いにて、約1000坪の屋敷の復元が始まりました。
屋敷とは家屋を構えた一区画の敷地、復元は元の状態や機能に戻す事。
戦後屋敷と呼ばれる古い大きな邸宅は、時代の変化とともに維持管理が困難となり、手放され壊され刻まれて分譲住宅や太陽光発電へと姿を変えていっています。しかし今回この屋敷の持ち主は、残すという事を決断をされた。
特に地方にいると、豊かなや自然や人々が紡いできた里山や民家などの暮らしの跡が壊されていく様子を日々目の当たりにします。岐阜に戻り建築を始めた30代の頃はその様子を見ては心が痛み自分の力不足を感じてはささやかな行動をしていましたが、40代を過ぎた頃からは現実の壁にことごとく負かされ目をそらすことに慣れてしまいました。
そんな中、今回ご紹介いただきこの屋敷の建築と土木全体の設計をさせていただけることになりました。
敷地は自然も多く残る河岸段丘に位置し、敷地内には複数の建物や周辺のマザーツリーとなる巨木や屋敷林があります。
この現場では、私が今まで身につけた循環し持続する建築や土木の経験を総動員し、一緒に学ばせていただいた職人さん達と最善を尽くしたいと思っています。
そして10年後・50年後・100年後には、この屋敷の持ち主の今回の決断が次世代の人々に喜ばれるものにしていきたい。
大工 紬建築 柴田旭
土木 は組 畠山智明
設計 水野設計室 水野友洋



