建物建設地には、みかん畑だった裏山が隣接しています。
まだみかんの木は残っていますが、みかん畑に植林された杉・桧が放置され大木となり、陽が入らずみかんも育っていない状態との事でした。
当初お話ししている中で、いずれは山の整備を行い、みかん畑も再生したいというお考えもお聞きしていました。
実際に現場に行った際に、裏山を見せて頂くと、長らく放置されていたようで、思った以上に大きな杉・桧が100本以上ありました。よく見ると、混みあっているからか、曲がりの少ないのもありました。なにより、この裏山は道路に隣接しており、思った以上に木を出しやすい。
山の状態は、確かに陽が入っていないので、下草はなく、土はパサパサで乾燥していました。
奥に入ってみると、土はむき出しで、倒木もあったり、土砂崩れしている箇所もありました。植林を放置したせいなのか、山際の開発のせいなのかわかりませんが、とても健全とは言えない山の環境です。
山の入り口には大きなコンクリートの側溝があり、雨が降るたび泥水が流れているようです。
さて、所有している山の木を使えば安くなるかというと、そうとは限りません。
木は無料とは言えますが、搬出に費用がかかり、材木屋から購入するより高くなる場合も十分あります。また、あまり手入れされてない山の場合、材木の質も悪かったり、逆に手間がかかってしまったり、または建築には使えない場合もある。
しかし、今回はいずれやろうとしている山の整備にも繋がります。
家を作る為に木を伐るのではなく、山を整備する為に伐った木で家を作る。
国の都合の皆伐ではなく、人の暮らしの営みの中で木を伐る。
この時は、これが里山再生の一つの道だと考えていました。
こう考えると、十分に検討の余地がありますね。
まずは具体的な計画の前に、裏山の木を使えるのかを確認する事。
裏山の木を出してくれる林業家、その木を製材し加工してくれる製材屋と大工を探す事。
もし上手く行けば、木組みの設計も、材木の長さなど気にせず、自由になれる。
今回遠方ではありますが、大工のあてはありました。
以前、熊本地震のボランティアで現地入りした時にお会いした住幸房の池尾さん。当時から若手の大工軍団を引き連れていて、噂で簡易製材機を持っている事もお聞きしていました。
もう一つ大事な職方が土木、石場建ての石据えです。
こちらも人づてに、地球守の理事をされていて、ユンボを乗り回す女性が福岡にいらっしゃるとお聞きしていました。雨の森という名前で活動されている轟さん。
という事で、早速お二人にお願いし、まずは現地を見て頂きました。