見学会 ワークショップ のご案内

根の上の石場建て7 刻み

今回の大工は初めて一緒に仕事をさせていただく、岐阜県揖斐川町の木彩さんです。

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木彩さんの現場では、2月1日(土)・2日(日)と竹小舞ワークショップ開催されるされるそうです。興味のある方は、ぜひ参加してみて下さい。
※ 根の上の石場建てではありませんのでご注意ください。

  

大工

 

親方は、まだ30代で大工育成塾卒業の石橋さん。現在、大工志塾5期の和耶さんと7期の直哉さんと、そしてベテランの板垣さんと内田さんの5人チームの大工工務店です。

修行中は手刻みをしてきた石橋さんですが、今回は独立して初めてとなる手刻み・石場建てに取り組んでいます。

 

 

 

 

最近は、紬建築さんや住幸房さんに続き木彩さんと、大工育成塾の卒業生の方と一緒に仕事する機会が増えてきまして、大工志塾で切磋琢磨している若いお弟子さん達とも会う機会が増えてきました。

大工士塾とは、大工を育成する国家プロジェクトのようで、各地で定期的に勉強会をしながら年に一度全国の同世代が集まって一つ建物を建てるというという活動をされています。私たち設計事務所にとっては、今後一緒に仕事をやっていく大工さんを育ててくれる場という事で、大変ありがたい事です。

私の見学会に大工士塾の若者が来ることも増えてきました。皆さん手刻みなど伝統的な仕事を目標に真面目に大工に向き合っている青年たちです。最近、現場では私が最年長になる事が増えてきましたが、今後も若い大工さんと一緒に仕事をやっていけるよう、私も新しい事に挑戦し続けねばと思っています。

https://www.daikushijuku.com/

 

材木

 

構造材は、今回も東桧の桂川さんです。構造材はほぼ桧。

 

 

桧以外は、この地松の太鼓梁。7Mと8Mの2本です。

 

 

左は昨年伐採したものですが、右は実は4年前に市場で購入し4年間出番を待っていた松です。

 

 

こちらは4年前の市場の様子で、右から7本目がその地松です。

桂川さんに市場に連れていっていただいていましたが、まん丸の赤身がパンパンにはった良い曲がりの材でして、こんな地松を使ってみたいなと話をしていたら、買って置いといてあげるとのことで、あてもなく買った材でした。

 

 

こちらは桂川さんの製材所で、粗挽きの様子です。

この地域では、5年ぐらい前から地松(白太)に虫がよく入るようになり、夏を超える地松が扱いづらくなっていました。でも今後も松の太鼓は主要な部分では使っていきたいのでということで、赤身の材だけ買っていただきました。

 

 

こちらは、4年前に皮むきしている私です。

あてもなく材料を買うのは楽しいけれど、なかなかに効率が悪い。
まずは、1本だけあっても取り入れづらい。やはり2本や4本のセット購入の方が使いやすい。また、長さも2間や4間で使うには約5Mや8M超が使いやすいけど、最近は家が小さいので太い材ではなかなか使いづらい。

材料に合わせて図面を描くのは、大変難しいこと勉強させて頂きました。

 

 

刻み

 

こちらが、木彩さんの新しい刻み場。
フルオープンで、クレーンもリフトもありませんが、とりあえず広いです。
頑張っても広くはなりませんが、持ち上げる事はできるようです(笑

 

 

 

今回は横長の1間半グリッドで、妻行の梁は6M材。
礎石から立つ柱は全て5寸角。
脚固めは、1間半飛ぶので8寸~尺。
垂木も大垂木5M1本もので5尺の軒の出。

これだけの天然乾燥の構造材が、1・2か月で揃られるようになるとは、数年前には想像もできなった。
しかも、ALL桧で図面に合わせた都合の良い材の長さで。

作り手側もまさに循環が大切。
家を建てたい人が増えれば、家を作りたい職人が増えて、素材の生産者さん達も安心して材料を準備してくれている。この流れができあがって、初めて私は仕事ができる。

 

 

 

 

 

 

今回石橋さんに声掛けさせていただいたきっかけは、ある建前に石橋さんが応援できていた時に、若いのに落ち着いて仕事をしている様子を見た時です。一度一緒に仕事をしたいと思っていましたが、ようやく一緒にできました。

新しい大工さんと仕事をするのは、お互い勝手もわからず時間はかかりますが、慣れた大工さんと仕事をするとき以上に学ぶことがたくさんあります。今後も今お付き合いのある大工さん達にも助けていただきながら、新しい大工さんとも一緒に仕事をしていきたい。

 

目標は、職人の層がどんどん厚くなり、製材や泥や竹など素材の生産者さん達も忙しくなり、そしてその地域の木や里山の資源が職人よって適切に使われて美しい家が立ち並び、後ろを振り返ると私たちの暮らしを守ってくれる豊かな里山が再生されていく。

そんな循環を大切に考える住まい手は、今後ますます増えてくると感じます。
私たち作り手も、変化についていかなければいけません。

 

現場は、石据え完了。
次回は、建前。