可児市今渡にて、土壁の家上棟しました。
ここから、小舞掻き荒壁塗りです。
建て方中、たびたび様子を見に来られるおばあさんがいました。
「昨日、土台を伏せる大工のなりをみて、ええ家が建つとすぐわかったわ」と嬉しそうに話しを始められました。「やっぱり大工は地下足袋やわぁ」「掛矢の音がええわぁ、あれは松か?」「貫入れて土壁か?」「こんな破風はもう見んと思ってたわ」・・・、など詳しい80過ぎのおばあさん。
大工の事なら僕も負けへんで・・・という具合で、建て方中に二人で大工の話で盛り上がりました。
実はご主人が棟梁をされていたそうで、久しぶりに見る「木組みの建て方」が見れて嬉しい様子でした。
今の木造は、高温乾燥・集成の構造材を、工場でプレカット加工し、スポスポはめて金物・ボルトで固定し、一日で建ってしまう在来工法が主流です。
それに比べ、伝統工法である「木組みの家」は、一年以上自然乾燥させた無垢の木を大工の手で刻んで加工し、金物・ボルトに頼らずほぞ差し・渡り顎で、一週間かけて組上げていきます。
100年スパンで考えると、木と金物を固定するのではなく、木と木を組まなければいけないことは、今残っている民家が示しています。
今では、昔の大工技術を持った職人も減り、「木組みの家」を求める方も減りましたが、まずは知って頂くことから始めなければいけないですね。
では、おばあさんの言う「大工のなり」をご覧ください。