可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

土が入り、現場の空気が土壁の空気に変わりました。

一枚[横90cm×高さ230cm×厚70mm]で約0.2t の壁が約60枚以上、小屋妻合わせて、約10t以上の土に包まれると空気も変わります。

土壁に対し、乾式の在来工法の家であれば、外壁には耐震要素の合板と断熱材、内壁には合板が入ります。土壁も耐震要素ですが、土壁の場合は断熱材を入れるスペースがないので、壁の外に断熱材を貼ります。

合板であれば、パンパン釘打ってすぐ終わりますが、土壁は竹を編んで土を塗って乾燥期間が2~3か月。
手間がかかるので金額もかかりますが、樹脂でくっつけた合板と、素材でつくる土壁では、作りが違うので単純に比較の対象ではないと考えます。

耐力も合板や筋違いと比べ小さく、施工性も考慮して計画が必要なので、乾式に対してプランの自由度は少ないですが、昔の民家の壁が味わいがあるように、100年スパンで考えると「土壁の真壁」に勝るものはありません。

今では、樹脂で固めたプラスターボード下地に1mmの漆喰を塗った漆喰仕上げが、自然素材であり調湿性があり空気が綺麗になるといわれてますが、素材である土を厚み 70mm で仕上げる土壁は比較にならない心地よさです。

可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

泥を送るポンプ。塗る前に、もう一度藁スサを混ぜて送ります。

可児の土壁5 荒壁

可児の土壁5 荒壁

炎天下の屋根上、3枚屋根の合計は約170㎡。ご苦労様です。

屋根勾配の自由度も少なく、金額も高い、いぶし瓦ですが、出来る限り瓦屋根を使います。100年スパンで考えると、他の素材より飛びぬけて長持ちする「瓦」以外選択の余地はありません。

「重い瓦は地震に弱い」は違います。
地震に弱いのは耐力の足りない家で、板金屋根と比べると、瓦の重さ分、地震力を増やして、耐力を増やすだけです。土壁も同じです。
熊本にも震災直後に行きましたが、特に2000年以降のガイドライン工法の瓦屋根は問題ないと手ごたえも感じました。

長い歴史を持つ伝統的な建築材料である「土壁と瓦」は、今残っている民家が日本の家にふさわしいことを示してくれています。

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