伊州石場建て、現場が始まりました。
はじめに
まず最初の工事は、アプローチの路盤整備からです。
大きな旗竿敷地に車の通り道を作ります。
なぜ最初にアプローチ工事をするかというと、それは工事中に土中の環境を極力壊したくないからです。
つまり、工事中から環境改善を始めるためです。
私は出来るだけ設備の引き込みや基礎工事などの前に、まずは工事動線を整えることが「石場建ての家」にとって一番大切必要だと感じています。
通常現場の始まりは、草に覆われた地面または土が露出している地面である事が多い。そこに工事の運搬車両や職人さんの車が通ると、土の団粒構造が壊れ土は締め固まり、水が浸み込んでいたフカフカの土は水が浸み込まない呼吸しない土へと変わる。
工事が終わった後に、車の通り道をコンクリートやアスファルトで覆うのであればよいかもしれない。しかし今回の工事は雨が大地に染み渡り樹木が生き生きと育つ土中環境を目指しているので、工事中にも土中の環境が育てたいのです。
その為に、先行して「栗石敷き 砕石仕上げ」 のアプローチから作ります。
過去の解説記事
ご興味のある方は、過去の解説記事をご覧ください。
作業の流れ
今回も土木工事は、いつもとおなじ「は組」の畠山さんとその仲間たちの皆さんです。
長野・三重・岐阜・富山・奈良から伊賀に集結して、5日間の泊まり込みで第1期工事は予定通り終了しました。暑い中、ありがとうございました。

まずは床掘をして、木杭を打って点穴をあけて丸太の固定です。
今回は横断の横杭を2M間隔にしたので、いつもの4Mよりやりやすかったとの事です。
次回は、曲がり材なども利用しながら、全面ではなく轍部分だけで栗石敷きでやってみようと計画中です。

次にいつもと同じように、丸太で囲んで栗石を小端立てします。
この時もグリ石はしっかり地面に差します。

栗石の隙間に、有機物と目つぶしの小石で隙間を埋めます。

仕上げに砕石を敷いてタンパーで転圧して終了です。
仕上がり
工事に入る前にこの状態にしておくことで、工事車両が入ってきても土地を傷めることはありません。そして1年後の工事が完了した頃には水が浸みわたる地面に育っており、そこに植栽をすれば緑の成長は断然違います。水が浸みこむ地中には酸素が通い生き物であふれる土地になる。工事完了後に砕石の上にウッドチップなど有機物を敷くことで、雑木の庭のような多様な生き物が暮らすアプローチになることでしょう。
工事中は材木や泥を積んだトラックやレッカーなど通常の生活ではあまりない重量の車両が入ってくるので、栗石敷きの一部が沈下する場合もありますが、その際も造園工事の時に手直しをする事ができるので都合が良いのです。

一カ月もすれば、丸太に沿って優しい緑が広がっている事でしょう。

作業終了時、皆さんそろって道からの眺めをチェック中。
みなさん、工事前の草むらの姿から、段取りよく予定通りやりたい事ができてご満足の様子です。
私もこれから現場に行くたびに、アプローチの様子(生き物たちの暮らしぶり)を見るのが楽しみになりますね。

素材の話(丸太・木杭・有機部)
よくある質問の「素材の生産・収集」について。
まず、丸太・木杭・有機物。
今回使用したのは、長野のカラ松・杉の焼き杭・藁や落ち葉です。
丸太や木杭は、木こりさんなど地域の林業関係の方に相談すれば、ホームセンターなどと比べると大変お値打ちに手に入れる事ができます。もちろん山をお持ちであれば、ぜひお持ちの山の資源を活用して下さい。そもそも、防腐剤を注入された木では菌糸がのらないので、近くの山で伐採して下した、自然のままの木を使って下さい。材種は松や杉が手に入るのであればそれがいいですが、石場建ての礎石の下意外であれば何でもいいと思います。出来れば赤身にしたいですが。とにかく少しでもやることが大事。山には木がまさに山のようにあります、、、ぜひ近くの山に行って調達して来てください。
次に、藁や落ち葉など
落ち葉は山・藁は田んぼ
落ち葉拾いは、このあたりは10月から山に集めに行くのですが、行き止まりの道など交通量の少なく集めやすい所を探してみて下さい。
藁は農家さんに直接お願いするのが一番です。稲架かけでお米を育てている農家さんに少し手伝いに行けば分けていただけると思います。
素材の話(栗石・砕石・積石)
次は石について。
今回は現場の近くに建材屋さんがあったので、そこで調達できたとの事です。
初めての土地では、まずは調べたり土建屋さんに聞いたりして、建材屋を探します。
栗石や砕石は入手しやすいですが、石場建ての礎石や石積みの積石は入手が難しいので、適当な石を普段からコツコツ集めるのがお値打ちな方法だと思います。
こちらが今回の建材屋さんです。

栗石


砕石

色砕石


玉石

三和土の真砂土

砂利・左官砂

運搬はダンプで行けば、積んでもらってお持ち帰りです。
建材屋にも地域性があります。その地でとれる素材、その地の職人さんが使う素材。
その地で手に入る素材を見ながら、何を作るか考えるのも楽しい事ですね。
さいごに
といわけで、まずはアプローチの工事から始まりました。
次は、水道・浄化槽・電気・都市ガスの設備を引込みをして、石場建ての基礎工事です。
今回も石の下にコンクリートで基礎は作ります。
その後秋には土木の2期工事で、アプローチの続きと雨落ち作業です。
そして、もうすぐ刻みが始まる予定、楽しみですねー。

