【小冊子請求】石場建ての家 小冊子 作りました

22年01月 とんびゅうの杜プロジェクト(冨尾)

正月明けの2022年1月8日、地球守の「とんびゅうの社プロジェクト」のワークショップに行ってきました。大きな茅葺きのお寺のある冨尾地区。

今回は「環境改善活動家 今西友起 さんのお話し会」という内容で、今西さんのお話中心でしたが、ちょこっと作業したり、参加者の方々といろいろお話したり、久しぶりに土木の事・石場建ての事をじっくり考える時間が持てました。

とんびゅうの杜プロジェクトは、2年前から始まったプロジェクトです。岡崎の髙田あつこさんと安城の深津さんの2人が準備して下さるワークショップで、講師は今西さんです。

私にとっては、近所で土木のお話が聞ける貴重な場で、今回で多分6回目。
参加される方も、気さくな方が多くて話も合い、参加しては毎回思考をリフレッシュしてます!

もし、ご興味のある方は、とんびゅうの杜プロジェクトのFacebookページを覗いてみてください!
https://www.facebook.com/chikyumoritonbyunomori

このワークショップでは、廃寺になった寺の敷地のいろんな所の環境改善を年に数回行っています。
定期的に参加する事で、前回の作業の経過を見たり、一年前からの変化を見る事ができる。

今西さんのお話を聞きながら、実際に自然が変化していく姿を見てきたことで、私も少しは動物や昆虫や植物が目指している先を、想像できるようになってきた気がします。
まぁ違っていたとしても、そういう目線で日々自然を見る事で、とても世界が広がった。

この日は、お寺の下の敷地で作業でした。
スコップを差して隙間を作り、隙間に燻炭を付けて、落ち葉を差す。
雨の時には泥水が流れる斜面の土地に、落ち葉を差して轍を作ることで、雨水は隙間に浸透し、燻炭の付いた落ち葉には菌糸がのる。

水が滞っている土中、または水が枯れ果てた土中に、水を染み渡らせる。
空気が通らず窒息している土中に、空気を戻す。

雨水は地表を流れる事なく、敷地内に浸透する事ができる。
泥水が地表を流れなければ、地表を塞がない。だから、空気と水が土中に戻っていく。
好循環の始まりで、その先は人のできる事はたかが知れていて、自然が回してくれる。

次回行ったときに、周りの自然にどのような影響を与えているのか、観察するのが楽しみです。

さて、上の写真は、なんでしょう?

これは、以前のワークショップで今西さんが作られた割栗石の敷き詰めです。
この石と石の大きな隙間に腐葉土や燻炭を使い、土の入っていない砕石で目つぶしをする。
石場建ての礎石の下や、植栽の下などに、今西さんが行う造作です。

今西さんと初めてお会いしたのが、2020年の秋に地球守の髙田さんのところで行われた「ダーチャ小屋の石場建て基礎作り講座」でした。

下の写真がその時の写真。

この日までは、石場建てを設計するときに、私はべた基礎コンクリートの上に礎石を置かなきゃいけないと思って設計をしてきました。でも出来る事ならコンクリートは使わず、家の周りは自然の地面のままにしたいと思っていました。

理由は1つ。

我が家が、無理してでもコンクリートで覆わず、自然の地面にしているのですが、とにかく夏は風が気持ちよくて、勝手に生えてくる草も美しい植栽のようで、家の中も心地よいからです。
心地よい理由は考えた事がなかったのですが、ある時お客さんが来た時に、水野さんの庭の草は自然だから抜かなくてもいいから良いですね、と言われたときに気づきました。

最近は雑草が生えるからコンクリートを打つ方がほとんどだと思いますが、実は逆でコンクリートや砕石をパンパンに敷くから、自然の草が雑草に見える。
コンクリートで覆ったり基礎を立ち上げるから、風が流れなくて、自然素材ではないコンクリート周りは汚れていく。

そんな事を思いながら、どうすればコンクリートを使わなくても、自信をもって石場建てを設計できるか考えていた時に、土中環境の本に出合い、高田さんのワークショップに参加し、そこで今西さんにお会いしました。

実は今西さんのご自宅は、ちょっと前に、コンクリートを使わない自然の礎石の基礎で、石場建ての家を作られたとの事。
その施工方法を選んだのは今西さんで、施工したのも今西さん。

そのお話を聞いて、ちょっと理解できていない所に、さらに「コンクリートで覆わず礎石の上に石場建てを建てれば、周りの環境を良くする、つまり石場建ての家は環境改善装置なんです」との事。

言ってることは解るし、そういう民家を見た事もあるけれど、理解できない。

何が理解できないかというと、周りの自然を良よくする家とは?

そもそも私は、家を建てる行為は自然に対して負荷しか与えないと思っていた。
だから私のやるべき事はいかに負荷を減らすかだと考えていました。

その為には、手入れのしやすい真壁にこだわり、100年200年と住み継いでもらえる家を作る事。
つまり、LCA(ライフサイクルアセスメント)を、昔の人たちの土俵に近づけること。
(LCAとは、素材採取→素材生産→製品生産→消費→廃棄の全ての合計で環境負荷を減らす事)

今の省エネ住宅の話は、LCAの中の消費の水道光熱費のCO2排出だけしか考えていないから、ちょっと私にはついていけない。
生産時のエネルギー・100年すら持たない家・廃棄時の大量のゴミ、それぞれの環境負荷を整理しなきゃいけないですね。

話がそれましたが・・・、

今西さんの言ってることを理解する為に、後日今西さんの現場に行ってきました。

上の写真が今西さんの現場です。

自然石の上に柱が立ってて、
床下に草が生えてて、
地面には有機物が敷き詰められている。

これを見て、話を聞いて、いろいろ繋がった。

健康だった古民家の隣に、土間コンクリートの車庫や、コンクリート基礎の新築が建つと、古民家に白アリが入る事がある。

100年以上経っても健全な田舎の民家には、南や北にご長寿の柿や椿や樫などの木が育っていて、その木の根は家の縁の下の地面にいる。

そもそも、昔の家には水道や下水はなく、雨樋や台所や洗濯や風呂の排水管もなく、道路にコンクリートの側溝もなかった。つまり、昔は敷地内の雨水や排水は、周りに迷惑をかけず、敷地内で処理していた。

自然界には白アリはたくさんいて、空気の滞っている所に穴をあけて、空気を動かすのが仕事。

石から上で起こる現象は、石から下の土中を見ないと理解できない。

石場建ての石の下に空気と水の水脈を張り巡らせれば、周辺の大地は呼吸できる。
しかも、縁の下には泥水が流れ込むこともなければ、人や重機に踏まれることも無い。
家が建ち続ける限り、周りがアスファルトに覆われようと、そこの 環境改善装置は守ることができる。

やっぱり、昔の人たちのやっていた事は素晴らしい。
建築も昔と比べて遅れてる思っていたが、土木はもっと遅れてる。

というわけで、2021年の春に豊田の石場建ての基礎を、今西さんにお願いしました。

2021年末、豊田の石場建ては、ほぼ完成しました。
縁の下を抜ける風が、ゴーゴーと音を立ててすごいのだ!

今西さんに 環境改善装置 の事を教えて頂いて、ホント石場建てやってて良かった。
これからは、建築だけじゃなく、土木もやっていきます。

何の迷いもなく、建て主さんに心から良いと思える家作りを提案できる事は幸せな事ですね。
その家作りは、環境負荷もないし、昔の仕事を残すことにも繋がる。
やらない理由はないね。石場建ての家が建てたい方がいらっしゃれば、ぜひ設計させて下さい!

1月28日・29日・30日・31日は、豊田の石場建ての完成見学会です。
見学希望の方は、お気軽にご連絡下さい。

ということで、 地球守の「とんびゅうの社プロジェクト」のワークショップ についてでした。

今後も、今西さんから多くを学びながら、機会が合えば一緒に仕事をさせていただきながら、環境改善に取り組んでいきたい思います。