桜みちの石場建て、12月20日無事上棟しました。
建主さま、おめでとうございます。
大工のみなさま、お疲れさまでした。

360度ひらけた最高のロケーションです。
今週末は構造見学会と竹小舞WSがあります。
ご興味があれば、お越し下さい。

中からの眺めも良い。

地面には泥がつかないようにシートが敷いてありますが、コンクリートはなく将来地面からは草が生え空気や水が動く縁の下です。

基礎完了時はこんな感じ。
潔い石場建ての基礎、この上に木組みを置きます。

建前
さぁ建前当日です。
前日に地組といって、先に組めるところは組んであります。

棟梁の高橋さんの説明を聞いて建前スタートです。

事前に組んでおいた妻行の通りを起こして組んでいきます。

脚固めのほぞを差し。

梁桁レベルもカケヤで叩いて組んでいきます。

お昼過ぎには丸太にかかり始めました。

この家の主役は、三通りと五通りに配置される長さ9.1Mの2本の桧の丸太。

通常は見かけることのない規格外の大きさ、150年越えの丸太です。
このサイズの丸太を準備するには、木こりさんの協力がなければ成立しません。

しかもこんなクニャクニャの桧、初めて見ました。
この木は山の中でどう育ったのか、そしてどうしてこの家にたどり着いたのか。この木のストーリーを最後にお話しします。

少してこずりながらも、無事に丸太がおさまりました。
そして、出し桁登り梁の合掌。

大きな屋根の平屋です。

ボルトや釘などを使用しない木組みの家が、礎石の上に立ちました。

登り梁に化粧野地板30mmを貼っていきます。
30mmの板の上に45×120の垂木を流し、垂木間に麻袋にかんなくずを詰め込んだ断熱材100mmが入ります。

室内からは、化粧野地は現しの天井になっています。
丸太の物語

建前の途中に、手で触れることができる今しかできない丸太のお話をさせていただきました。
左奥でスマホで写真を撮られているのが、この丸太を伐採し山から下ろしてくれた木こりの飯田さんです。

こちらが丸太の断面です。
年輪を見れば、植林ではなく天然林であることがわかります。
数えてみると年輪は150を超えました、つまり江戸時代の終わりに生まれて150年生きてきたこの木がこの家を支えます。しかも直径は約50cmほど、3年で1cmづつ、1年で3.3mmづつしか育たなかったという事で、とても成長が遅く目の詰まった良質な材木です。

しかも松のようにグニャグニャの桧です。
木こりの飯田さんに聞くと、この桧は山の境界線上に立っていたため、目印として切られず150年立っていたとのことです。境界の両側は植林された山だったそうで、おそらく植林された木が急成長しては伐採されることで、境界に立つこの木は光のあるあっちへ行ったりこっちへ行ったりして、グニャグニャしたのではないかとの事です。

またこんな曲がった9Mの長い木は、山から下ろすのは大変で苦労して出しても売れるかどうかもわからないので、通常は山から運びやすく規格の4Mに切って下ろされます。
ではなぜこの長さでこの曲がりで下りて来たかというと、実は木こりの飯田さんが山でこのを伐採した時に、いつもとは違う強い桧の香りを感じたそうで、切り口を見たらとても目が詰まっていて、この木をどうしても造材(4mにそろえること)できない、生かしたいと思ったそうです。
そこで、松村さんに連絡をして見に来てもらい、松村さんも使うあてはなかったそうですがいつか使うからという事で、その場で買って山から下ろしたとの事。
木を愛する木こりさんと大工さんがいて、それを喜んでくれるお客さんがいて、初めてこのような材を使う事ができるのですね。

木1本に物語があるのも手刻みの木組みならではですね。
また次の世代にこの丸太の話を伝えていき、この家を住み継いでいっていただきたいですね。

最後に、今回木こりの飯田さんが建前に立ち会っていたのが嬉しかった。
山で実際に木を伐っている人が、大工と繋がる事で山の木を生かす巾がうんと広る。
こんな伝統工法の家作りが、少しづつでも増やしていきたいです。

