【ご案内】3月31日 三和土ワークショップ

一宮の石場建て10 荒壁塗り

竹小舞が済んだら、荒壁塗りの作業に入ります。
岐阜で採れた土と藁からなる、無垢の素材100%の泥がトラックで搬入されます。

鏝で竹小舞に泥を塗りこみます。
こうして作られる土壁は、断熱・調湿作用を持ち、永く持つ意匠であり、耐震要素でもあります。
石の上に柱を建てて、足固めと桁固めと貫を差して、竹小舞を掻いて泥を塗ったこの躯体。改めて、無垢の素材だけで成り立つ伝統工法の家作りは楽しいですね。

先日の見学会に来られた建築関係者の方や、大工さんや左官屋さんには、「筋かい入れなくてもいいの?」とよく聞かれます。
在来工法の家には土壁はあっても「筋かい(構造用合板)」のない家はありませんが、木組み・土壁・石場建てで作られる伝統工法の家には「筋かい(構造用合板)」のある家はほぼありません。

今でも残っている戦前に建てられた民家も、「筋かい(構造用合板)」はないと思います。
昔の人たちは過去の経験から、楽で早い「筋かい(構造用合板)」ではなく、手間と時間のかかる「荒壁塗り竹小舞下地」を選択する場合がほとんどだった。
日本で数十年耐えればよいのであれば「筋かい(構造用合板)」でも十分かもしれませんが、100年後も残したいと考えると「荒壁塗り竹小舞下地」だと思います。
戦後に建てられた新しい家の建て替えはよくみかけますが、戦前に建てられた家の多くは修繕され民家として残されている事が、何よりの答えだと思っています。