12月29日(日) 天白石場建て 完成見学会

愛知の茅葺き再生12 茅屋根

屋根工事も仕上げに入りました。
棟を仕舞って、刈込はさみで整える。

少し刈込をさせて頂いた。
とても変な感じですが、屋根をハサミで仕上げる。
絶対必要ではないが、長く持たせる為に必要な時が多いとの事。

ザクザク・・と刈り込んでいく。
時折、ハサミでバーンと屋根を叩き、刈った茅を下に落とす。
叩いた時に、屋根がバネのように少し変形する。

まるで生き物の毛を刈っているようでした。
そういえば、去年一年間茅葺きを見て回ったが、季節によって姿が変わって見える。
茅葺きの屋根は、本当に生き物のようでした。

構造材や造作材の木や、土壁の土も、時間とともに変形し、生きていると思う。
長生きしてほしいから、真壁にして空気に触れさせて呼吸させてあげたい。

今まで使った建築の素材の中で、特に茅葺きは生きていると感じる素材です。
そりゃそうだ。雨を浴びながら、屋根の裏も表も全てで息してるわけだから。

持続可能や循環と言う言葉が、茅葺きや土壁など伝統工法にはよく似合います。
茅葺き民家の裏には、瓦葺きの家があり、その裏には太陽光パネル葺き四角形。

違いは一つ。

今の家は、元に戻す方法も知らないのに自然を壊し、将来帰る場所のない物で家を作る。
昔の家は、自然の一部を借りて作り、役目を終えたら自然に還る。