【ご案内】12月8日(日) 三和土ワークショップ

愛知の茅葺き再生6 手刻み・木組み

今回の再生工事の構造の部分では、以下の3点を行っています。

1.垂木・野地板の入れ替え
2.柱・梁の損傷部分の修復+脚固め追加
3.土壁・小壁の修復と補強

この建物の良かった事は、地盤の沈下がほぼ無く、土台がしっかり残っていた事。
また、地盤の条件も良く、建物の傾きも少なく、差鴨居レベルの腰回りが力強かった事。
逆に悪かった事は、雨漏れがひどく、小屋組みの損傷が見られた事。

1.垂木・野地板の入れ替え

まずは瓦を下し、土を下します。茅葺きは、瓦工事の後に行います。

垂木・野地板を外す。

垂木を一本一本替えます。

垂木を入れ直し、野地板。

瓦屋根でも少なくとも百年に一度葺き替えていれば、致命的な雨漏りに繋がる可能性は低いと思います。ただこの建物のように、葺き替えず損傷がひどかったとしても、垂木・野地板の入れ替えを伴う屋根替え工事で、比較的対応しやすい場合もあります。

2.柱・梁の損傷部分の修復+脚固め追加

既存のほぞ穴を利用しながら、現場で墨付けて刻んで納めていきます。

もちろん、金物やボルトに頼らず、木組みです。
今回、脚固めは桧の六寸。欠損を減らす為、妻方向と桁方向に二寸~の段差を設けています。

新たに壁を増やす箇所には、土台も追加していきます。

新しく玄関になる場所には、新たに土台を引く為、延べ石を接地します。
もともと玄関であった東の土間全体は、居間・食堂・台所とする為、玄関は田の字の一角に配置。

この現場では、雨漏りによる屋根部材の損傷に比べ、地盤の沈下と土台・柱脚の損傷が軽微でした。おかげで、揚げ方工事(ジャッキアップ)によるコンクリートの基礎工事や土台入れをすることなく進めることが出来た事が、予算的にも再生可能となった一番の要因でした。

こちらは、脚固め工事の前と後。

こちらも、足固め工事の前と後。

損傷の激しかった左奥は、構造の入れ替えに伴いお風呂・洗面・便所など水回りに変更です。
奥の縦格子は、昔から使われてきたものと変えずに使用する計画です。

脚固めについて。
現在伝統工法の新築では、脚固めはほぼ入れると思います。
昔の家では、引き寄せる為の脚固めは一部にある程度です。一般的に昔の家は、脚固めの入る足元は緩そうにみえますが、差鴨居の入る腰回りは非常に固めてあります。民家再生の際に、既存の柱や継いだりしてどこまで足元を固めるべきなのか迷いますね。

こちらの写真は、解体の際に出てきた構造材の一部です。周りの白太は蟻に食われていますが、中心部分の赤身は木の香りが残っているほどしっかりしています。
赤身は費用的にも高いですが、それ以上に長く持つんですね。

3.土壁・小壁の修復と補強
左官については、次回お話します。

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