岐阜の石場建て12 板張り仕上げ

外部の板張り仕上げと左官仕上げが終わり、足場がバレました。
外壁の杉板の厚みは一寸、軒の出は四尺、味わいが深まるまで長く持ってほしい事はもちろん、維持もしやすいよう六寸柱の真壁納めです。
こちらは行き止まりの北側道路側なので、石場建ての縁の下も、窓も上から下まで抜けてます。

板張り仕上げと土壁との隙間には、断熱材を入れました。
長く住み継ぐ事を考えて作る土壁の家には、断熱材は必要ないと思っています。
何年効果があるのかわからないし、断熱材が家の寿命を長くすることはないですから。

我が家は今でもそうですが、ちょっと昔は土壁に無断熱で板や板金仕上げの家ばかりでした。
とは言え、熱すぎたり寒すぎたりで暮らしが苦痛になっては困るので、建て主のご要望であったり、立地条件、緩衝空間のあるプランかどうかで外断熱を入れる事もあります。

この土地は、夏の平均高温32度以上、冬の平均低温はマイナス、山手で冬の日照は長くなく、夏の西日は直撃、また緩衝空間も少ないので外断熱になりました。
冷暖房機器は、エアコン1台と薪ストーブ、あと灯油ストーブと扇風機の予定です。
土壁の特性を生かして、冬の天気の良い日中の暖気は取り入れて蓄熱し、曇りや夜間の冷気は閉め切って断熱。逆に真夏は、昼間の熱気で土壁が蓄熱しないよう日射を遮り、夜間は開け放って冷気を蓄熱。すだれと植栽を使い日射を遮る事で、夏は極力エアコンに頼らず暮らして頂けるのではと思っています。

夏を旨とすると長く持つ家が作りやすいが、冬を旨とすると断熱気密が必要で、断熱気密は家の寿命に反比例し、長く持つ家が作りにくいと感じます。
いくら家にお金をかけても、水との勝負が手間のかからない短命な防水シートやコーキングでは、経年劣化や自然災害で裂けたり変形して、自然には勝てません。
長く持つ家は自然に逆らわない事、住まい手も自然に寄り添う事が必要だと感じます。

室内の壁の杉板張り・床の桧板張りも終わりました。
梁と壁板や天井板は同じ山の杉、柱と床板は同じ山の桧。
天然乾燥・手刻み・木組みの家には、同じく天然乾燥の無垢板仕上げが一番です。

最近は、カットされた無垢の板を樹脂で接続(フィンガージョイント)されたものや、1mmの無垢板を樹脂で接着した積層フローリングも「無垢フローリング」と呼ばれるようになりました。
でも、カタログに載っているような既製品の無垢フローリングは、本物の天然乾燥・手刻み・木組みの家では、偽物の木のように安っぽく見えてしまいます。

無垢のフローリングと言われてもカタログの既製品と、自然の素材とでは、別物です。
傷は付きやすく、時には反りますが、手入れをして味わい深まるのは、自然の素材の無垢板です。
既製品は、買った時が一番綺麗で後は汚れていってしまうように感じてしまいますからね。

この家も、ビニールクロスや樹脂で固めたボードや合板は使わず「木と土と紙」で作ります。
消耗品のキッチンと水回りの設備・金属サッシはノーマルの既製品を使っています。

 

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