【ご案内】3月31日 三和土ワークショップ

風の森の土壁8 総ヒノキ材の手刻み

遠藤さんのチームトシ建(トシ建築)の手刻み始まりました。
地元の大工さん2人と一緒に3人でかかって頂いています!

今回は、柱はもちろん、大垂木、梁桁、脚固め大引き、そして太鼓梁まで、全て東濃桧です。
材木屋の桂川さんが、時間と手間をかけて調整して頂いた天然乾燥の桧は、芯までしっとりです。天然乾燥前の製材(粗挽き)段階でも、一本一本癖を見ながら、背割れのように少し切り目を入れて、割れも目立たないよう調整して頂いた桧は、手刻みにはとても扱いやすい良材だと思います!

写真ではわかりづらいですが、岐阜の東濃桧は赤身が淡いピンク色です。
ここより南方面の桧になると、もう少し茶系になります。
愛知県方面で手刻みしている大工さんも、梁桁は三河の杉中心ですが、柱はわざわざ東濃桧を買いに来る方もいらっしゃるぐらい、見た目も香りも良くて、刻みやすい東濃桧。八百津で石場建ての設計をしているからには、今後も東濃桧を贅沢に使っていきたいですね。

右の加工が終わっている材料が、山に直接お願いした垂木。120×150の5M材ですね。
積んであるだけでかなりの存在感です。軒の出は5尺(1.5M)、建前が楽しみだ。

今回は、板金屋根の屋根断熱、しかも湿度の高い森の中。
大垂木150mm+化粧野路30mm+断熱層60mm+空気層40mm+捨て野地15mm。
145mmの木の塊の屋根。厚めの屋根に広小舞を重ねます。小さな家に、めちゃ大きな屋根です。

お次は、太鼓梁の加工の様子。
桜咲く肌寒い春の晴れ日に、遠藤さん半そででガッツガツで加工中。カメラを向けても全くの無反応・・・、過去10人ほどの大工さんに手刻みをお願いしてきましたが、一番寄れる大工さん。

この木は、大工の遠藤さんが直接山に伐採に行き、この土場で天然乾燥して、賃挽きで製材された桧の太鼓梁。倉庫の中ではなく、山と田に囲まれた吹きっさらしの野原で、置き屋根で乾燥させました。まさに木にストレスをかけず自然の環境で天然乾燥させた材です。カビも入らず良い調整が出来ましたが、見事に表面が乾燥割れしています。強度や加工には全く問題ないですが、教科書通りの割れの入り方です。

この太鼓梁はピロティに架かる現しの梁材で、太鼓を渡り顎で仕掛けるワイルドな仕口です。
竣工後も経年変化を確かめてみます。

という訳で、工期前倒し中で刻みが進行中。次回は、建前です。

さて私の中で、石場建てをお願いできる工務店がまた一つ増えました。しかも地元八百津で。

材木や土の素材、大工や左官の職人、石場建ての構造設計や確認・適判の申請。
今まで課題だったところが、数年かけて徐々に整ってきた。
これで、石場建て作り放題!!

残り必要な事は、私の設計センスと、ノンコンクリート基礎と、石場建てを建てたい建て主さん。
いろいろ役も終わって身軽になった今年からは、全開で仕事探しにいきますよ!!