【ご案内】石場建ての家 小冊子 作りました

音楽家の家1 土地探し

音楽家の家は、土地探しから始まった「石場建て」の家作りです。
これから家作りをお考えの方に、家作りの流れを紹介しています。
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現場の様子は、Instagram で発信しています!
施主:@derkoeniginthule (English)
水野:@mizunosekkei

現場見学も随時受付中です。
ご興味のある方はご連絡下さい。

 


  

はじめに

1回目は土地探し。
2020年、ホームページからお問合せを頂いた事から始まりました。

 

お問合せ

水野設計室をWeb上で見つけたきっかけは、2020年竣工の「静岡の石場建て」の大きな太鼓梁の画像だったとのこと。
その梁が下の写真の梁。約7Mの大曲の地松。

実は、この太鼓梁はもともと図面にはなかったのですが、大工さんが「良いのがあるよ」と探してきてくれた太鼓梁でした。建て主さんと大工の松村さんおかげですね、ありがとうございます!

 

ご依頼

では、私の事務所で初めてお会いした時のお話しから始めたいと思います。
まず、お施主様の主な要望は、二つ。

① 豊かな自然のある庭や周辺環境 の中で暮らす事

② 自然の素材で作られた家 で暮らす事

 

要望 ①  豊かな自然のある庭や周辺環境

お話しする中で、お施主様のイメージする豊かな自然が、どのようなものかは共有させて頂いた。
お施主様は、イメージしている環境を満たすには、どのような土地を買えばよいのか教えてほしいとのことでした。

当時購入しようとしていた土地は、イメージしている環境を満たすには、難しい場所・広さでした。
どこまで利便性を我慢できるかはわかりませんが、もう少し自然に近いところまで、土地探しのエリアを広げる事が必要でした。

また、豊かな自然を実現するには、土地選びだけでなく、建物の基礎も大事な要素です。
べた基礎よりも布基礎、布基礎よりもコンクリートを使わない「石場建て」の方が、土が育ちやすくなることで、周辺の自然は豊かになる。

石場建てで建てる為には、山手の土地の方が適している事が多い。
もう少し周辺の自然が多くて、もう少し敷地が広くて、木の枝や落ち葉が、お隣にお邪魔しても大丈夫な土地がいいですね。

最近よく思うのですが、私に連絡いただいたお施主様たちで一区画計画できたら、どんなに素敵な場所が作れることかと妄想してしまいます。

どちらにしても、① 豊かな自然のある庭や周辺環境は、土地選びが重要です。

 

 

 

要望 ②  自然の素材で作られた家

お施主様は、日本で自然の素材で家を作るなら、伝統工法の家だと考えられていました。
ただ、伝統工法の土壁の家は、暑さ寒さなど現在の暮らしにどこまで合っているのか不安があるとの事でした。

この質問は、まず伝統工法の家を作ろうと考える皆さんから、最初に聞かれる質問です。

伝統工法の家でも、断熱材を入れて断熱性を高めたり、テープを貼って気密性を高める事は可能です。
でもそれ以上に、伝統工法の家には「土壁・無垢の木・畳・和紙・土間・・・」など、家が呼吸する為の蓄熱機能・調湿機能を持った素材がたくさんあります。

呼吸する素材に頼り、家の周辺に植栽を植えて、地域の気候風土をデザインすれば、空調に頼った現代の室内環境以上に快適に暮らせると考えています。

できれば土壁の家の夏と冬を体感して頂ければ、不安はなくなると思います。
というわけで、後日私の設計した家をご案内させて頂く事となりました。

他に、写真にあったような大きな太鼓梁が見える家が良いとのことででした。
これについても、製材屋さんと大工さんがいて、乾燥の時間を頂ければ大丈夫ですね。
とびきりの丸太組が現しになる、大きな小屋裏を計画せねばです。

 

 

 

土地探し

土地探しについては、私から土地を紹介する事や、毎回土地探しに同行するという事までは、対応していません。

ただ、住所を教えて頂ければ、簡単なアドバイスはさせて頂いています。
例えば、GoogleMAP・古地図・市町村が提供しているデータなどで、情報は得られます。またその土地の法規制や、地盤の増幅率や近隣の表層地盤のデータが分かれば、土地の特徴も掴めます。

「もうこの土地に決めようと思っているので、一度見に来て下さい」という状況になれば、一緒に同行します。
そこで「やっぱり、ここはやめましょう」となることもあります・・・が、
買われる前には土地の情報を理解し、簡単なプランも計画して要望と予算のバランスを考えておきたいですね。

 

 

ご存じない方も多いですが、土地には地盤増幅率という固有のデータがあります。
簡単に言うと、地震の揺れを増幅させるもの。
1.0倍未満なら地震力は小さくなるし、1.0倍より大きいと地震力は増幅していく。

地図を見て頂いて、赤色の場所は、黄緑色の場所より、2倍の地震力が来る。
雑に言うと、赤色の場所は黄緑色の場所より、2倍の耐力壁をいる事になる。

増幅率の大きな不利な土地で、地震に耐えうる構造の為に、自由を失い予算をかけるぐらいなら、条件の良い土地に自由に建てたいですよね。

このあたりの基本設計に入る前が、建築士を一番使いこなすポイントです!

 

 

土地決定

今回の土地探しも、まずご要望をお聞かせ頂いた上で、気になった土地があれば不動産情報と住所をメールで送って頂くようお願いしました。

送って頂いた土地に、何度か感想やアドバイスをお伝えしたり、良い土地だと思えばプランを落とし込んで、アドバイスする。
すると、お施主様も自身の要望を満たす為にはどのくらの広さが必要で、どのような周辺環境だと良いのか、わかってくるようです。

今回も数件目でお施主様より、一緒に見てほしい土地があると連絡があり、結局その土地が今回購入する土地となりました。

 

 

今回も緩やかな斜面の土地です。
三面道路で、お隣さんから落ち葉の苦情は来ない。
地盤の増幅率は0.6倍で、近隣のボーリングデータは2.0M以内に岩盤有。

最近、土地購入からは、これで3件続けて斜面。
こういう高低差のある土地が売れ残っているんですね。

たしかに、斜面なので整地や土留めが大変だったり、敷地内外に大きな木があったり、崖条例や宅造もクリアしなきゃいけなかったりと、難しい。
普通の建て方では、土地が安くても、家を作るまでの準備に費用が掛かります。

しかし、石場建てであれば、斜面も土も極力そのままで、木も極力そのままで、建てる事がやりやすい。
斜面の土地にも色々ありますが、安くて自然は豊かだし、石場建てには合ってると思います。

意外に、斜面の土地は、売れなくて不動産屋さんもあまり進めてこない事もある。
売れ残りを聞いてみると、良いかもしれませんね。

次回は、プランと予算。