9月15日(日) 根の上の石場建て見学会

天白石場建て4 建前

 

8月25日・26日に構造見学会を行います。
お気軽 にご参加ください。


 

名古屋の駅ビルまで見渡せる、天白の高台の団地に二階建ての石場建てです。

今回の棟梁は、紬建築2年目の小久井さん。
現代工法の工務店の大工として関東で仕事をしていたのですが、伝統工法の大工になる事を決意して紬建築に入社されました。

 

 

初めて会ったのは、昨年夏の恵那の石場建ての建前に応援に来た時です。控えめな性格で前に前にでるタイプではないですが、「石場建ての家を作れるようになりたい・・・」みたいな思いをボソボソと口にしていたのを覚えています。

当時30歳、始めるには特に若くもなく、仕事も早くセンス良くというオーラもあまり感じさせませんでしたが…(笑、この1年間紬建築で伝統工法の現場を経験し、真面目にコツコツとマイペースに急成長。2年目にして堂々と石場建ての棟梁を務めました。

 

 

今回の建物は狭い敷地に小さな2階建て、長ホゾと渡りアゴが混在し、通りもバラけて、納まりも小々無理した軸組で、初めての墨付けに難易度高めでしたが、大きなミスも無く予定通り2日目で上棟までもっていきました。

 

 

棟梁は棟が納まるまで怖い顔してましたが、他の人たちはそうでもなく、和気あいあいです。

 

 

棟梁は、図板をみながら、仕事を確認して、材料を配っていく。

 

 

仲間に見守られながら、棟を納める。
この現場で一回り成長し、これからはもっと頼りになる存在になってもらいましょう!
まずは刻みから建前まで、お疲れさまでした。
2か月分、ゆっくりお休みください。

  

 

今回も建前の見学に十数名お越し頂き、道路からやお隣の駐車場など、お好きな所から見学して頂きました。
建ったらすべて隠れてしまう大工の仕事をご覧頂き、ボルトや金物など建材を一切使わない「石場建ての木組み」の凄さを体感して頂けたと思います。

暑い中、お越し頂きありがとうございました。
また、8月25日(日)・26日(月)の構造見学会も、お待ちしています。

 

 

 

 

 

では、ちょっと長くなりますが、時系列に撮影した写真を紹介していきます。

 

 

今回は、仕事が残った地組からスタートです。
長ホゾ・渡りアゴで組んでいくので、主要な「い通り・に通り・と通り」は、先に組んでおきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地組が完了したら、いよいよ通りを起こしていきます。
まず、1枚目。

 

 

 

 

2枚目。

 

 

最後の3枚目。

 

 

 

3枚起こしたら、次は脚固め・差し鴨居・胴差で繋いでいきます。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

ここからが一つ目の山場、「い通り」と「に通り」の合体です。
一度みんなで流れを確認して、配置につきます。

 

 

 

 

 

 

合体終了、次は「と通り」の合体の準備です。

 

 

 

 

 

 

 

 

小々無理のある長ホゾと渡りアゴや、ズレた通りに苦戦しながら、初日はここまでで終了。

 

 

団地の一角に、木の塊の登場ですね。

 

 

2日目もお日柄も良く建前スタートです。
初日の続きで「と通り」の合体作業から始まります。

 

 

 

 

 

「と通り」の合体が済んだら、田の字からはみ出した下屋部分を組んでいきます。

 

 

 

 

 

 

田の字が組み終わったら、1階の床、2階の床、そして小屋へと進みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後半は調子良く進み、無事棟を納めました。
引き続き、垂木を架けていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大工もスポーツウェアや空調服が増えてきた中、伝統的な昭和スタイルの大工。
穴の開いた白Tシャツとニッカポッカと地下足袋の浅井さん。
伝統工法の建前には、この存在感のある装いが似合います。
つばのない黄ばんだヘルメットだと、なお良い。
次回の建前に期待しましょう!

 

 

昭和のマンションと昭和の大工。

 

 

昭和の大工と名駅のビル群。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おしまい。
興味のある方は、ぜひ実物を見に来てください。