10月31日(土)・11月1日(日)・7日(土)・8日(日) 「名古屋の石場建て」構造見学会+竹小舞・土壁WS!

柳津の民家再生 10 外部意匠

今回の民家再生では、元の姿に戻すことを頼りに意匠計画進めました。
下は再生前と再生後。

再生前

再生後

アルミサッシの既製品だった肘掛け窓の高欄・縦格子・玄関戸を無垢に戻し、40年前に大壁板金にリフォームされた外部の壁を、荒壁下地真壁黒漆喰と洗い出しの仕上げに戻しました。土台下の玉石を残し、床下の通気確保、けんどん板の新設。現し無垢の木は赤身材を多用し無塗装です。
数々のわがままをお願いしましたが、技術と気概を持って仕事をされている大工・左官・建具・基礎など職方の皆様だからこそ出来た仕事です!

民家再生は、愛知の茅葺き再生に続き2件目でした。
最近の民家再生は、内外大壁工法の新築そくっりみたいなリフォームがほとんどで、民家の良さを生かしていません。大壁であれば都合の悪い所は隠せばいいので簡単ですが、それでは民家の50年後のトドメを今刺しているだけです。

本来、民家の良さを生かす、または次の100年を生きぬく民家に再生するには、真壁は避けては通れないと思います。真壁は都合の悪い所をボード隠すわけにはいかないので、問題多発で現場勝負が多くなる。しかも、無垢の自然素材ばかりで仕事をする事は、とにかく手間がかかります。
ただ引きかえに、汚れて劣化する建材ではなく、古くなることとで味わいが深まる自然素材は維持管理も楽で、次の世代や他の人が住み継いで、伝統を未来に繋いで行く価値ある事です。

数十年も前から、民家の老朽化と取り壊しは恐ろしいスピードで進み、再生可能な民家が少なくなっている事を実感します。タイムリミットは近づいていますが、今後も新築だけでなく民家再生にも挑戦して、場数を踏んで知識と経験を蓄えて、一つでも伝統を残していきましょう。

今回は、外部仕上げのお話をしたいと思います。
1.下見板張り簓子仕様
2.肘掛け窓の高欄
3.縦格子
4.木塀

1 下見板張り簓子仕様(鎧張り)

まずは、外壁の下見板張り簓子仕様、一階部分の外壁の板張りです。
古い家ではよく見かける鎧張りですが、板を横張りし、反り止めに縦の抑えの棒を打っています。

こちらが、板と棒。板は杉の赤身の厚板、棒は板張りに合わせて簓子の加工がしてあります。

無垢の板なので、どうしても調整が必要。一枚一枚突き付けて調整の加工をしていきます。

大変手間のかかる仕事ですが、今も残っている多くの古い民家の外壁が鎧張りで残っている事からもわかるように、意匠や耐久性や維持費を考えると、お薦めの仕上げです。

2 肘掛け窓の高欄

二階の窓の手すりです。
外観の意匠も品がありますが、やはり内部が秀逸です。雨に当たらない程度の奥行ですが、腰かけていつもと違う気分で作業をしたり、布団が干せます。

大工仕事は、刻み場での加工が主な仕事です。
細かな意匠も含んでおり、部材も結構な量があります。

加工の刻みは時間がかかりましたが、建前は一日です。
もちろん、意匠性も耐久性も重視して、金物ボルトを使用しない「手刻み・木組み」です。

中からの様子です。子供は出てちゃいますね・・・。

3.縦格子

東の妻壁にある、大きな開口部の縦格子です。

こちらも刻み場で加工して、現地で取付です。
今回は、一寸角を@一寸と細かくしたかったので、開口部を大きくしました。

中からの様子です。プライバシーを確保しつつ、明るい開口部です。

4.木塀

塀と言えば、最近は既製品のアルミ製ばかりで、新しい木塀を見掛けなくなりましたが、木塀は意匠も形も自由ですし、通りを豊かにしてくれますね。
今回は石の上に土台を敷いて、背後には控え柱を取って、板金を被せてあります。

三方囲っていますので、ちょっとした物が作れるくらいの材料です。刻み場で加工の様子。

建方は二日間です。

今回は、平均年齢24歳の各務工務店の若手3人の仕事です。
建て主様にも良くして頂き、朝から晩まで、親方のいない現場で伸び伸びやって頂きました(笑

次回は内部の様子です。