10月21日(木)22日(金)、地湧の杜の岩越さん主催の、地球守の環境改善講座に参加してきました。
場所は小田原、内容は以下の抜粋記事をご覧ください。
以下 地球守HPより抜粋
環境が荒廃する原因のひとつが、現代の「道」の付け方にあります。
林道、車道、歩道、そして農道。あらゆる道は、本当は環境をいためるのではなく、環境を育てることのできる造作を施すことができるのです。
台風や豪雨で裏山が崩れたり、道脇が崩れたりすると、現代の土木工事では、必ず土圧を抑えるためにコンクリートで固める施工が行われます。ところがコンクリートによって水と空気の動きが止まると、上部からの雨水が滞水し、周辺はヤブになったり竹林が覆ったりと、環境をますます悪化させてしまいます。
今回の講座では、締め固めるのではなく、木材・石・竹・炭など地元の材料と、敷地内の落ち葉や枝そだを使って、崩れないように安定した土手をつくります。水が土中に浸透したり、樹木や草花によって吸い上げられたりする中で、空気もともに健全に流れます。この自然の理にしたがって、土地が自ら育ち、安定していくよう仕向けてきたのが、かつての土木造作の智恵です。
未来につなげる本来の土木技術を日本全国の地域に根付かせること、そして技術だけでなく自然との向き合い方を学ぶこと。
特に、土木・林業・造園業に携わる方々のふるってのご参加を、お待ちしております。
地湧の杜さんHPより抜粋
小田原ではミカン畑などの耕作放棄地の広がりから山間地の農道は荒れ、大雨の度に泥が流れ、そしてその影響が周辺環境にも及んでいます。市民農園の活用等で耕作放棄地はところどころ維持されるようになりましたがそこへ至る農道の整備があちこちで危機的な状況です。そこで高田宏臣さんの指導のもと環境に配慮した農道整備の実践講座を開催します。今回実習地となる場所はかなり崩落が進んだ道路ですのでその改善方法はすこぶる実践的なものです。
この講座は実践を中心に進められます。土中環境の視点をもって行う環境改善の作法と技術を身につけたい方、身近なところで自身が環境改善またその普及を行おうと思っている方が対象です。
私は、今まで環境改善のワークショップに参加したり、お話をお聞きしたりしてきましたが、実際に作業に参加させて頂く事は初めてです。
建築の要素だけでなく、土木の要素も大切にした「本来の石場建ての家」が作れるようになりたい。そんな思いで、今後は土木や造園の仕事にも携わりながら勉強していこうと思っています。
まずは最初に、BeforeとAfterから。
木柵で作られた土手が崩れてきたので、新たに敷葉工法の要素を取り入れた土手の作り直しです。
敷葉工法とは、河や土手の堤(堤防)や軟弱地盤の対策に、古代よる行われてきた堤体を作る為の伝統的な土木の工法です。その地で入手できる「葉や枝や草と、土や砂利や石」などの自然資材を交互に重ねていく方法。
現代土木のコンクリートやブロックと違い、自然に回帰する素材を使う事で、いすぜれ自然の堤となり、景観的にも環境的にも優れた伝統土木とのこと。
今回使用する自然素材。
栗石・小石・炭・燻炭・藁・落ち葉・枯草・丸太(炭化)・竹。
自然にある素材ばかりですが、使用できる状態(資材生産)にするには少し手間がかかりますね。
ここからは、作業風景。
まずは、土手の解体。
斜面を泥水が流れないよう、横溝と竪穴を掘る。
横溝は崩れないよう炭化丸太を設置。
溝と穴には、栗石・小石・炭・燻炭・藁・落ち葉・枯草を薄く重ねていく。
土手の部分も、栗石・小石・炭・燻炭・藁・落ち葉・枯草を薄く薄く重ね合わせる敷葉工法。
横の炭化丸太や竹の水平や、敷葉の水平面は、水が横に流れないよう精度を高めて、土中への浸透を促す。
想像以上の炭・燻炭の使用量には驚きました。
土手の断面。
本来は炭化丸太がよさそうでしたが、今回は竹で代用。
昔の排水管が入っていた跡は、多分昔の水の道。
そこには、栗石・小石・炭・燻炭・藁・落ち葉・枯草・丸太による敷葉風の横溝で、土手上部の水の浸透を促す。
完成した姿。
自然の素材だけで作られた土手。
このような土手は、現在だと99%以上はコンクリートやブロックで作られていると思います。
わずかな斜面も泥が流れださないように、段切りして横溝。
写真の枝葉で覆われた丸い塊は、土手を掘った時に発生した残土。
こちらも、地表を流れ出さないよう、土・炭・燻炭・藁・落ち葉で重ね合わせて置いておく。
下地も、斜面を水平にして、グリグリ燻炭と炭。
次回は、大きい土手の修復です。