【ご案内】3月31日 三和土ワークショップ

一宮の石場建て7 礎石

基礎工事の様子です。
鉄筋コンクリートのべた基礎の上に礎石を配置し、コンクリートを打ち増ししました。

石場建ての礎石は大きく分けて、①直接地面に礎石を設置する方法と、②鉄筋コンクリートの基礎の上に礎石を設置する方法があります。

適当な地耐力(地盤の固さ)のある土地であれば、①の直接礎石を設置することは可能です。ヨイトマケと呼ばれる方法で地固めして石を接地することで、礎石は大きくなりがちですがコンクリートを使わず経済的に基礎を作ることが出来ます。

コンクリートを使用せず作っていた昔はその方法でした。地耐力を確保する為に、支持層まで版築で固める等の対処をしていたと聞いたこともあります。

民家再生でよくありますが、地耐力が不足している場合は、不同沈下を起こす可能性があります。建て起しで対処できれば良いのですが、軸組みもクセがついていることが多く、全面的な改修または元に戻すことが困難な場合もあります。

出来る事なら、地耐力のある土地に直接石を接地して家を建てたい。地盤の沈下や礎石の不具合があった時には早めに対処できる準備は必要ですが。何年強度が持続できるかわからない重い鉄筋コンクリートを敷くより、土の上で暮らしたほうが気持ちよさそうですからね。

今までの設計では、地耐力がなかったり支持層が均一ではなかったりと恵まれた土地での設計はないので、費用は掛かりますが毎回鉄筋コンクリートの基礎の上に礎石を設置しています。
熊本のように上部構造に自信はあっても、地盤が壊れたり沈むこともあります。今回も地盤改良とボーリング調査で液状化の可能性も確認し、万が一の対処がしやすいよう計画しました。

やはり縁の下があり建物と基礎の縁が切れている石場建ては、躯体の耐久性向上、地震時の上部構造の損傷低減、地盤沈下への対応など、永く持たせるよう考えられた素晴らしい工法ですね。

次回は建て方です!