大工の遠藤さんが、軸組み模型を作られていました。
パースと違い、木組みの模型はかっこいいですね!
さて、この敷地は山の中の斜面です。
構造は、ほぞ差し・雇い差し・貫・土壁小壁で、合板・筋交いのない、木組み・土壁です。
斜面の為、柱脚はいつもと違って金物で緊結します。よって浮上りの低減は気にせず、土壁は外部のみとし屋根も板金として建物重量を減らし、内部の耐震要素は貫や木ずり壁です。
地盤増幅率は、圧倒的な第一種地盤。地盤調査の結果は、すぐ下が地形なりの岩盤で、岩盤までの土の部分はグリ石に置き換えて支持層とし、独立の基礎を作り埋め戻します。
今回の基礎工事は、地元八百津の丸北土木の達郎君。精度の良き仕事をして下さりました!
今回の基礎との緊結には、このDボルトを使います。
久しぶりのボルトですが、ボルトが仕口に干渉する。仕口を優先してボルトを何とかしようと思っても、既製品は全く融通が利かず、結局木組みを変更する事に。ボルトを使うと、石場建ては本当に自由だと実感します。
埋め戻した状態。
木も切ってしまい裸地の状態ですが、工事の間はごめんなさいして、また草木たち育って下さい。
今まで山を削っている(壊している)様子は、見たことはありますが、今回初めて仕事で関わりました。驚いたことに、深さ60cmほどの弾力のある腐葉土や土の層の下から出てきたのは、厚み30cmほどの木の根の層。
赤土の上の僅かな黒土の所に、お互い絡みつくようにビッシリ根が張っています。
なんと今まで、私は木の根の上を歩いていたという事なんですね。
そういえば、この地域の地名は、「根の上(ねのうえ)」と呼ばれる所です。
人間も動物も植物もそして家も、根の上に立っている。素敵な地名ですね。
木は土の中でいろんな木の根と繋がり合って、大地を支えていたのですね。
このようにびっしり張った根は、地震の時にも自由自在に変形してエネルギー吸収しそう。
土中環境の目標地点を実際に見て触れることが出来、自信が深まった。と同時に、100年以上かけて木の根達が作ってきた根の層を断ち切ってしまったことの反省。
次からは、第一優先にコンクリートを使わず、大地が呼吸する石場建てをやろうと思いました。
こんな素敵なところで、仕事しています♪