9月15日(日) 根の上の石場建て見学会

風の森の土壁10 建方(後編)

6月11日(晴れ)建方二日目
6月12日(曇り)建方三日目

建方前日の地組と建て方初日の二日間を終えて、順調に垂木が架かりました。
二日目・三日目は屋根仕舞い、貫や楔、床の荒板です。

今回は、実に5年ぶりの板金屋根。
しかも、初めての屋根断熱。天井や天井断熱は無し。

室内は天井を作らず、屋根の野地板が室内から現し。
つまり下の写真で貼っている屋根の野地板が、室内から見える天井です。

いつもの天井断熱の場合は、建方の後に造作工事で天井を作り、小屋裏空間に断熱材を入れたり、電気配線など設備工事をします。

一方屋根断熱の場合、天井断熱と何が違うかというと、いつもある小屋裏空間がないので、断熱材や電気配線を建方中にやらなくてはならない。また板金なので通気層も作らなくてはいけないのですね。造作工事が楽になって、建方の屋根仕事が大変になる。

まずは天井となる化粧の野地板、杉30mmを貼ります。

野地板には、電気の配線スペースが仕込んであります。

また、今回は外断熱の土壁ですが、野地板には壁の通気層の通気孔もあります。

もう一つ、野地板には軒裏部分には屋根の通気スリットもあります。

次に断熱材を敷き詰めます。
今回の断熱材は、シュタイコプロテクト60mm(実付き)

煙突の開口部も作ります。

断熱の上に通気層40mmを取る為に、捨て垂木を並べます。
屋根面の厚みが垂木と屋根材を除いて14cm・・・!、三段広小舞!?

ピンクが断熱材、グレーが木材、ベージュが土壁です。


この上に荒野地とルーフィングを敷いて屋根完了。

最近よく質問される断熱材について。

私のお薦めはダントツ無断熱なんですが・・・、建て主のご要望や地域や部位によって、フォレストボードの40mmや15mm、またはウッドファイバーなどを使い分けています。

今回は初めてシュタイコという断熱材をを使用します。

何をもってオーガニックというかわかりませんが、自称オーガニック断熱材のシュタイコ。
主成分が木質で、とにかく硬くて、熱容量が大きく、硬実付きの断熱材。
完全な自然素材ではなく接着剤はしっかり入っています。
実付きは隙間なく施工できて、よいですね。

一応、私の恒例の個人的な素材試験もしました(笑
内容は、燃やして煙の匂いを嗅ぐ、水に浸し続けたり、乾燥させたり。

合格・不合格はないのですが・・・、
断熱性能より何より、ずっと暮らす家を、臭い素材で作るのは嫌だ。
絶対止められない湿気に対して、耐久性がどれくらいあるのか想像しておきたい。
この話は、めちゃ長くなるので、今回はここまで。
いつか一つの記事にまとめようと、思ってます。

というわけで、建方の屋根工事の様子を、写真と動画でご覧下さい!

下屋の上はテラス、下はピロティです。

リビングからの眺め。

床下。

建方終了。
遠藤さん、応援に来て頂いた大工さん、お疲れさまでした。
この建て方を通して、良い職人さん達と出会うことが出来て本当に良かった。
材木もあるし、職人さんもいらっしゃる。
足りないのは設計です。
はい、がんばりましょう!

今後は、竹小舞と土壁、焼杉作業です。