建前初日です。
今回は、石場建てではなく、コンクリート基礎なので、土台はコンクリートに緊結して、建てていきます。セオリー通りの田の字の総二階で、通し柱九本を胴差で繋ぎます。妻行通りは、前日に地組をしておき、妻行を起こしながら、桁行を差していきます。
今回は、地下RC地上木造二階での三層の混構造なので、許容応力度計算となり、金物ボルトや合板もしっかり使用します。変形は必要のないですが、構造即意匠の為の手刻み木組みです。
もともと名古屋城のお堀の内側だったそうで、名古屋市内にも関わらず地盤は良い。地名の丸の内に恥じない意匠を目指しています。
さて、前日の地組の様子です。
妻行は3枚。
では、棟梁の声掛けのもと、1枚目を建てていきます。
2枚目。
3枚目
桁行を繋いでいきます。
今回の見せ場の一つ、外部の真壁納まり。
パッキンの石は、厚二寸の水勾配、巾木は石貼り。五寸の土台も水勾配。
濃いめの和です。
二日目
見せ場の一つ、十文字の太鼓組です。
敷地はパンパンですが、庇は出す。
町屋のように、三尺間隔で腕木を出します。
胴差レベルも三面腕木で、庇を回します。
避けがちな総二階ですが、総二階ならではの意匠がある。
いよいよ垂木です。
屋根回り、しっかり遊んでる(楽
今回は屋根構面の合板も外せなかったのですが、二寸の垂木を両側で二.五分づつ尺って化粧の野地を打ち、残りの一寸五分の垂木に合板を打ちました。
仕様規定や許容応力度計算で、構造即意匠に立ち向かうには、限界を感じます。
建主様、上棟おめでとうございます。
若い大工たちは、刻み漬けの毎日が楽しくてしょうがないらしい。
黒川棟梁、ヘトヘトになりながらも(笑、建前やり切って、お疲れさまでした。
ここまで一生懸命にさせてくれる「大工」という仕事は、つくづく良い仕事だと思う。
大工を目指そうか迷ってる若手の皆さん、どんどん飛び込んでいこう。
心の広い親方達が、受け止めてくれます!