【ご案内】3月31日 三和土ワークショップ

船頭の土壁3 基礎工事

船頭の土壁、基礎工事が終わり、明日から建前。
RC地下の上に、木組み真壁土壁の二階建て。
上から見て、穴が開いている所は、地下への階段。

6年ぶりの土台敷です。「愛知の土壁」同様どうしても地下があると、地階へ行く為には石場建ては都合が悪いので、コンクリートを立ち上げて、アンカーやホールダウンのボルトをセットする事になります。

 

 

民家の意匠となるよう、土台の幅は五寸とし、土台は真壁の現しとします。
土台の木と延べの石、勾配に加工して、二段構えで水を切ります。

 

 

 

せめてボルトは、昭和の伝統的な四角の座金にしておけばよかったな・・・。

この延べ石は、石屋さんで作りました。
厚み60mm、巾200mm。慣れない立ち上がりのコンクリートですが、真壁に相応しい脚周りを目指して、今回一番時間をかけた所です。さて、どうなることでしょう。水磨きの仕上げが、めちゃくちゃ上品。頼むから、上手く行ってくれー!!!という心境です。

 

 

 

石に合わせて柱を立てるだけの石場建てと比べて、今回はコンクリートの基礎と延べの石と鉄筋に合わせなくてはいけないので、現場も図面も、とても手間がかかります。
単純な石場建ては、仕組みが分かりやすく、手間もかからず、メンテも楽なわけですね。

 

 

土台が敷き終わって、棟梁が現場の確認中、頭をポリポリしてますが・・・、
マイペースな棟梁なので大丈夫でしょう。
20代の若者が向かっていく姿をみてると、こっちも負けてられませんね。
めちゃ緊張していると思いますが、何とかなるから大丈夫。
終わったら、パッーと行きましょう🍺

 

 

 

こんな街中にもかかわらず、掘り方の時にはしっかり蟹が出てきました。草木があれば、生き物の暮らしがあり、土は呼吸している。
この家は地下があると言っても2面は解放なので、残りの2面は土と壁の間を栗石を敷き詰めて、水が動ける空間をコンクリート周りに確保しました。今はまだ呼吸している川沿いの石積みですが、将来この川沿いもコンクリートで護岸工事がなされます。
このような状況でも、土の為に出来る事はいっぱいあるはずですが、蟹の為に何もしてあげられなかった。力不足が悔やまれる、もっとやってあげられるようになりたい。

 

基礎工事の様子。

  

 

まずは、H鋼とコンクリートで土留めの壁を作ります。
少ない望みを残して、シートパイルはやめました。

 

 

その後掘り方を進めます。
この時に蟹さんがいました。
蟹が道路の反対側の木と川を繋げてくれてた。

 

 

地階のベースの配筋。

 

 

コンクリートが打ち終わったら、次は壁です。

 

 

 

壁と土のスリット。

 

 

 

壁内に配管を通す。

 

 

内部の様子。

 

 

 

 

 

1階床の鉄筋。

 

 

コンクリートを打って、型枠を外す。

 

 

 

 

 

建築基準法を言い訳にコンクリートで固めていますが、実際に植物は植えられず、木は伐採されていくこの場所で、伝統土木だけで建物を守れる自信は全くありません。今後、このような場所で建築する時の最適解をずっと考えていかねばならない。
思考を止めない、より深く考え続ける事。

基礎工事、おしまい。