一宮の市街地にて、石場建ての家が新たに始まります。
おかげさまで、記念すべき私の10件目の設計です!
構造から仕上げまで、無垢の木をふんだんに使って設計します。
二月に、岡崎さんの貴重な天然林の山へ、お施主様と一緒に桧の大黒柱の伐採に行ってきました。
年代物の挟み尺で太さを計りながら、曲がりも見ながら大黒柱探しのトレッキングです。こんなに木があるので探す必要はないかと思うのですが、実は真っ直ぐ生えている木は少ないんです。
お目当ては、七寸[210mm角]の通し柱6Mです。4Mはありますが6Mとなるとすぐには見つかりません。何本か候補を決めて、もう少し奥に入っていくと、周りが開けた所に一本ぽつんと立ってみえる木に出会いました。
樹齢100年を超える桧でした。
その木の下で、酒を祭り、感謝を伝えて伐採しました。
帰り際、来年またここにきて植樹をしましょうかとお話ししていましたら、古い切り株の上に新しい命が芽吹いていました。
自然の山に、植林はいらない。このまま100年そっとしておいて。
そんな山からのメッセージなのかなと、感じました。
人が自然の為に出来る事など何もなく、人が手を加えた分自然ではなくなっていくと、私は思っています。山や田畑や庭で、人が自然の為にしていると思っている事は、自然にとってはいい迷惑で、ただの人間の都合です。
自然に生かされている事への感謝を忘れず、謙虚に暮らし、建築に向き合っていかねばなりません。