【ご案内】3月31日 三和土ワークショップ

風の森の土壁3 山に木を注文する

山に注文していた材木が、山から下りてきたとの事で、丸太を見に行ってきました。
120×150の5Mを33本。

今回の風の森の土壁、標高の高い山中の小さな家の屋根は、瓦ではなく板金です。
垂木を含む小屋組みは、葺き材・勾配・軒の出・形状・垂木の部材断面間隔などにより、いろんな仕様があります。毎回新しい仕様に挑戦しているのですが、今回は軒の出1.5m、2.5寸勾配の屋根断熱、垂木は5M材の120×150@910です。

普段なら、垂木の5M 120×150の材木33本が材木屋に置いてあることはほぼ無いので、6Mの150×150や120×180~を加工する事になり、割高になる。なので、今回のような材木は使わず、規格品の120×120や4M材を、使う方向で屋根を考える事が多いです。

規格品とは、一般的に構造材としてよく使われる3Mや4Mや通し柱用の6Mの長さの木材の事です。短く揃っていた方が、山から搬出しやすかったり、運搬しやすいサイズでもあるので、山で伐採した後に規格のサイズに切って搬出するのが一般的です。
使う予定もないのに山で5Mに切っては、搬出・運搬も割高になり、注文が無ければ在庫になる。結局いつもの4Mに切って使う事になっては、勿体ない。5Mが欲しければ6Mを買って5Mに切る。

でも、山で木を切る現場に、直接必要な部材お願いできれば話は別です。
山で伐採後に、120×150の 5Mに切って運び出して頂ければ、ロスなく適正価格で規格の外れた材料を使うことが出来るのです。

今回の材木屋の東桧さんは、設計の初期段階から材木の相談に乗って頂け、知恵を貸して頂けるので、ホント嬉しい。これからは、建て主さんとお会いして、土地を見させて頂いたら、大工さんよりも先に、規格を気にせずに適正価格で材木を決める事が出来る。
これなら、ファーストプランからもっと自由に提案できそうですね。

山から関わると時間はかかりますが、設計の制限が取っ払われて自由になる。その分、私の頭も柔軟にしておかないと、山や木を生かせない。考えることが増えて、また次のステージに、一歩進めた気がします。
トシ建築の遠藤さん、東桧の桂川さんのおかげです、ありがとうございます!

上の写真が挽いて頂いた、垂木33本。天然乾燥で木に負荷をかけず、乾燥させます。

ついでに、下の写真は、1年後に建てる石場建ての材木。
桧の太鼓末8寸の8M超が、16本。
早速調子に乗って、規格外の材木で設計させて頂きました。
ただいま天然乾燥中で、一年後にはお披露目、めちゃ楽しみです!

というわけで、お時間さえ頂ければ、どんな材木でも設計に取り入れますので、規格外の木の家がご希望の方、設計のご依頼お待ちしています!