2020年7月8日朝、私の町内に突風がきました。メモとしてBlogに残す。
今年の梅雨も全国的に記録的な大雨で、特に九州では大規模な洪水や土砂崩れが発生している時期に、私の町の木曽川付近に局地的に突風が発生しました。多分竜巻に分類されるんだと思います。
まず体験してどんな感じだったかと言うと、砂漠に雲まで続く渦巻状の上昇気流トルネードのような感じではなく、梅雨時期の雨が降っている中、突然いつもの台風よりも倍ぐらい強烈な暴風雨がやってきて、ほんの数分から数十分で通り過ぎていきました。
家の中から見ている体感では、いつもの台風とは明らかに違うレベルの風の強さ。
まさに、沖縄の台風の映像のように、雨は風の流れがわかるかのように横に飛んでいき、あのようにしなった樹木を見たのも初めてでした。どこかの木の葉っぱが空に上がっていき、家の周りに置いていた物はいつもの台風なら飛ばないような物も高く遠く飛ばされる。
雨風が強すぎて窓は少ししか開けれませんでしたが、すごい音で、風で家が浮上るイメージも出来ました。板金の屋根がめくれ上がるとか、瓦が飛んでいくとか、小屋がこけるとか、風の力で十分に可能だと感じました。
突風直撃中は、これ以上風が上がったら家が壊れ始めるという感覚も出てきて、「ほんともう勘弁してー!」というような気分で、「あーーー」と言いながら見ているだけでした。
今、思うと怖すぎて、動画を撮ろうなんて余裕は全くなかったね。
台風と違い突然来るので、準備が出来なくて、被害が広がった印象がありました。
風は、台風とは違い短時間で強烈ですが、準備できればかなり違うと感じました。
とはいえ、急に暴風雨で外に出られないので雨戸は機能せず。
電動シャッターなら機能したと思います。
驚いたことに、突風が来る数十分前に、気象庁の竜巻発生情報がスマホに入りました。
今回町内でも突風の被害を受けたのは、5kmぐらいの範囲でしたが、町内に死者やけが人はゼロ。竜巻発生情報が入っても、はっ?と言う具合で何もできなかったですが、来るかもしれないという事と、来たことがわかるだけでも、気象庁の情報には感謝ですね。
ちなみに、気象庁によると竜巻発生確度2となった地点の竜巻発生の的中率は7~14%。竜巻発生確度1となった地点の竜巻発生の的中率は1~7%。
こんなめったに出会う事のない竜巻にしては、的中率の高さに驚きですね。
今回は情報が入って、多分30分ぐらいで一気に来たので、本当に驚きました。
竜巻発生確度ナウキャスト
ちなみに、竜巻などの激しい突風は、人の一生のうちほとんど経験しない極めて稀な現象ですとの事。限界耐力計算では極稀暴風時の検討をしますが、この風の事だったんですね。
なるほど、確かに地震と同じように、建物の損傷を防ぐ為に無視できないです。
ただね、ほとんど経験しない現象との事なので、もう二度と突風には逢いたくないですね。
状況写真
事務所の木が風で傾き上部の太い枝が折れ、宅内の電線に引っかかる。
この写真は、折れた枝を伐採した後。家より大きな木はダメだと解っていても、綺麗な花桃が咲くので残しておいたのが悪かった。今回、切ってしまおう。
塀があるにも関わらず、事務所の建具が風に押されて、宅内に外れる。ガラスは吹き飛ぶ。
メンテナンスをしていない古い建具だったので、建具大破。
事務所の庭。
簾が壊れちゃったなーと思ったら、瓦が一枚落ちてる!
事務所の瓦が一枚落ちてた。
私は家にいたのですが、敷地内にある事務所側の被害がひどい。
敷地内でも突風の強さが違うようで、直線状に突風が通り過ぎた場所がイメージできる。
近所の桜の木が倒れている。
これは、土砂崩れではなく、木が風に根こそぎなぎ倒された。
二本の木が同じように倒れている、突風の通り道だったようです。
絶賛、八百津は薪集め放題です。
近所の神社。
かなりの大木たちが倒木。隣接する民家の屋根に倒れる。
近所の川。濁流が家まで聞こえるほどのすごい音で流れている。
川の中に立っているのは、昔の洪水で流されたつり橋の残骸。
子供の秘密基地があったツリーハウス?は、根元から撃破。
最近は、毎年1年に3回ぐらい50年に1度があるような気がします。
50年に1度なら少し諦めついても、毎年何回もあるようでは、想定外では済まされない。今後の設計の仕事はより災害時の事を考えて、お施主様たちに迷惑を掛けないよう、意匠と同じように災害時の事を考えて設計せねばいけませんね。
自然の力は、人間にはコントロール出来ないんですけど、災害も人の暮らしも家作りも、自然に逆らうのではなく、自然に従うことが、正解だと改めて感じました。
自然に立ち向かって抑え込めているうちは良さそうに見えますが、裏では被害を受けているかもしれない。災害に対して最も有効な手段は、ダメージをゼロにしようとすることではなく、メンテナンスがしやすい事。
また、地震や洪水は事前に地理から想定できそうですが、突風が発生しやすい地理的要因や風向き、対処方法なども考えなければいけないと感じました。
伝統工法の民家は他の災害と同じように、突風を経験しながら改良されてきているはずです。
古い民家には、何だろうと思う意匠がたまにありますが、そういうものは災害等の対策から生まれた機能的な意匠であることが多々あります。今後古い民家を見る時は、風対策の視点からも見るようにしていこうと思います。
被害の大きな所は停電が続き、ヘリコプーや報道の車も来て、少し騒然としていました。
気象庁も来て、今回の突風の調査をしていたので、今後風速など発表があると思います。
風の谷ではないけれど、ウィルスも突風ですっ飛ばして欲しいですね。