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豊田の石場建て1 気候風土適応住宅

豊田市内にて、平屋の石場建てです。
一部真壁の土壁、八畳の続き間と木製建具の入る縁側、和風の平屋になります。
小屋裏現しの茶の間には、桧の丸太組。屋根裏に小さな部屋のある27坪、若夫婦の住宅です。

今回の地盤は、平らな硬い支持層がすぐ下にいて、増幅率は第一種地盤。
今までで最も石場建てに適した土地に巡り合え、念願のコンクリート不使用で建築します。

2回目となる「気候風土適応住宅」にも採択されたので、この物件では建て主さんと職人さんも一緒に見学会やワークショップを開催しながら、伝統工法による土木と建築を発信させて頂きます。

大工は紬建築の柴田君と仁君、材木は昭典木材さん。
左官は吉田左官の吉田君、建具は後藤建具店の後藤君。
土木は、今回初めて一緒に仕事をさせて頂く今西友起君。

今まで「石場建てを建てる理由は?」と聞かれたら、
「長持ちさせる為に、石から上の構造躯体を呼吸させたいので、真壁の石場建てにしています」
と濁して答えていましたが、今回今西さんにとても良い事を教えていただいた。

石場建ては、礎石から上と同じく、礎石から下の大地を呼吸させる為の工法だという事。

なんで、今まで設計で大地の事も家と同じように考えなかったのかな。
家と同じく大地も生きている。こんな単純な事に、今更気づくとは・・・。
そこで暮らす人と同じように、家を構成する自然素材も呼吸し、その大地も呼吸する。

建築士として、何を考えて設計すれば、未来の子供達に繋ぐことが出来るのか?
10年探していた目的地を、ずっと目指していた昔の人の土俵を、ようやく見つけた気がします。
まだこれからですが、たまたまやってた石場建ての石の下に転がってたようなものですね。

さて、建て主さん、大変お待たせいたしてすいませんでした。
それでは、職人の皆さんよろしくお願いたします!

大工 紬建築   柴田旭
左官 吉田左官
設計 水野設計室 水野友洋

気候風土適応住宅について

地域の気候風土に応じた建築技術の継承・発展と低炭素社会の実現に貢献するため、伝統的な住文化を継承しつつ、環境負荷の低減を図るモデル的な住宅。
「気候風土適応住宅」の解説


応募5件中5件採択・・・