【ご案内】3月31日 三和土ワークショップ

豊田の石場建て5 地域の石で作る家作り

石場建ての石を探しに、石を据えて頂く今西さんと建て主さんと菰野町へ行ってきました。
菰野石は、丸みのある御影石なのですが、柔らかくて加工がしやすいのが特徴。
石を据えた後、礎石の天端の平面をだす為の「ビシャン仕上げ」という加工がやりやすいんですね。それに、丸みがある事で、吹き込んでくる雨も石の上に溜りづらい。なにより、石の色味も多様で自然石の雰囲気が良い。

こちらが石屋さん。
さぁここから、礎石にふさわしい気に入った石を42個選びましょう!

「石選び楽しそうですね…」なんて言いながら建て主さんと呑気に付いて来たのですが、この石選びがとても大変。なぜなら、とにかく迷って決まらない。どれでも大体一緒でしょと思きや、見れば見るほどそれぞれ違って、決まらない…。
木や土と同じように決して同じものがない不揃いな自然の素材を選ぶ事は、どれも素敵に見えて迷ってしまう。
結局、予定時間ギリギリまで汗だくで石選び。でも、可愛い石たちがみつかりましたよ。

今回は礎石設置の手間を減らす為、大引きを大きくして、床束を減らし、礎石も減らしました。地盤増幅率が良い上に、平屋で壁も減らせたので、柱軸力も抑えることができました。やはり改めて、石場建ては地盤が重要だと実感です。

ということで、もともと60個ぐらいあった礎石を、42個まで減らしましたが、実は石選びの時にホント減らしといてよかったと思った・・・。

探しに探して、一緒に帰る事になった可愛い石たちをダンプに積む。

これで、割栗石も、砕石も、礎石も、準備完了!
家の基礎に使う、素材が揃いました。

全て何処にでもある自然の素材、大きい石から小さい石と、腐葉土とくんたん。
普段の家作りにある、コンクリートや鉄筋、型枠やビニールシートは、現場にはない。

今までは、ベタ基礎や布基礎があったので、石の下端は設置しやすく、上は平面を出す為に、少なくとも上下は切っていたのですが、今回はホントそのまんまの自然石を据えます。

土壁の時の「土と竹と藁」のような感覚で、建築の現場らしさを感じない。
これが、伝統工法のゾクゾクする瞬間なんでんすよね。

次回は、石据えです。